あっという間に海を真っ白に覆ったかと思うと、いつの間にか遥か遠くの白い帯へと霞んで行く。今年の流氷も、せわしなく去ろうとしています。今朝も、「こんなに鮮やかだっただろうか」と驚くほどまぶしいオホーツクブルーの海を見ることができました。卒業生や在校生、保護者、そして先生方も皆、この晴れやかな海のように清々しい気持ちで、卒業と新たなスタートを迎えられる季節ではないでしょうか。
今年度最後となる『黎明通信・支部だより』は、第一支部よりお届けいたします。第一支部は網走市立第一中学校区にあたり、南ケ丘高校が身近にある地域です。徒歩や自転車で通学する生徒が多いため、坂の上からゆっくりとオホーツク海を望み、日々の海の移ろいが自然と目に入ってくる環境にある生徒さんも多いことと思います。
さて、最終号の原稿を依頼されて以来、私は「何を書けばよいのか」「そもそもなぜ私が……」と思い悩んでおりました。「何でもいいから」というオーダーほど、難解な試練はありません。正直なところ、頭の中は冬のオホーツク海のように真っ白で、思考は冷たい流氷に閉ざされたまま数か月が経過してしまいました。そして今に至るという、困った状況に陥っていたのです。
あるとき「なぜ、一文字も書けないのだろう」と自問自答を繰り返すうち、私はあることに気が付きました。私自身が南ケ丘高校の出身ではないため、自分の娘が通う「北海道網走南ケ丘高等学校」のことを、実は全くと言っていいほど知らなかったのです。そこで、南ケ丘高校を知るため、南校のホームページを調べてみることにしました。
校訓 校歌 校章 - 北海道網走南ケ丘高等学校
~校訓について~
皆さんは、南高のホームページをじっくりとご覧になったことがあるでしょうか。恥ずかしながら、私はこれまで詳しく拝見したことがありませんでした。そこで、南高のことをもっと知るために、まずは学校の基本的な理念を表す三つの「校訓」について調べてみました。以下はホームページからの抜粋です。
(1)「自主自立」
本校の生徒は、探求心と向上心を培い、生徒個人が自ら考え行動することができ、未来へ向かって独り立ちする準備をすることが出来ます。
(2)「奉仕勤労」
本校の生徒は、国家や社会へ貢献することは勿論のこと、地域・家族・友人のために尽くせ、共に援助しあえることができ、利害を離れ心身を健やかに保ち勉学に励むことが出来ます。
(3)「明澄端正」
本校の生徒は、明るく曇りなく澄みきった純粋な心を持ち、乱れることなく自己の管理を正しく行え、前進し続けることが出来ます。
抜粋終わり。
ご自身のお子様の日頃の様子を思い浮かべながら、この3つの四文字熟語を繰り返し唱えてみてください。いかがでしょうか。ひとりの親として、少し胸の奥がざわざわとしたのは私だけでしょうか。様々なことについて、力強く「出来ます」と記されていますが、「うちの子は大丈夫だろうか?」「そもそもこの漢字をすべて正しく読めているだろうか?」と、少々心配になってしまいました。もちろん、南高生であれば卒業するまでには、これらのすべてを身に付けているはずであります。
~校歌について~
OB・OGの皆様はもちろん歌えるのだと思いますが、恥ずかしながら私は、校歌の歌い出しから初めて目にする言葉ばかりでした。
「澎湃(ほうはい)たる浪 すさべる嵐……」
冒頭からの圧倒的な語彙力に、南高の持つ格調の高さが感じられます。ちなみに歌詞に登場する「オコクの岸べ」の「オコク」について、辞典や国立アイヌ民族博物館のアイヌ語アーカイブでも調べてみたのですが、明確な意味には辿り着けませんでした。語感が「オホーツク」に似ている気もしますが、これについては誰か教えてください。このあとも「巨人」「嘯(うそぶ)き立ちて」「沃野」「剛健の気象」「高嶺の み雪」「沖べに 顫(ふる)い」など、文語的、詩的な言葉が続き、教養の深さが伺える力強い校歌だと思いました。今回は深掘りこそしませんが、海や生き物、厳しい冬といったオホーツクの自然に根ざし、連綿と受け継がれてきた南ケ丘高校の学風を存分に感じることができました。
~校章について~
南高の校章ですが、じーっと見つめていると、何とも言えない愛らしい佇まいに見えてくるのは私だけでしょうか。ひとつの校章の中に様々な意匠が込められており、上から「山の端」「海の波」「砂の浜」を表しているそうです。全体としては、Abashiriの「A」と、校歌にも出てきた両手両足を広げて大地に立つ巨人を模しており、円融たる調和を示しているとのこと(詳細はぜひホームページをご確認ください)。余談ですが、私は以前から、公益財団法人明るい選挙推進協会のイメージキャラクター「めいすいくん」に少し似ているのではないかと密かに思っています。
(興味のある方はどうぞ→選挙のめいすいくん | 公益財団法人 明るい選挙推進協会)
~おわりに~
今回、執筆することをきっかけに、初めて南ケ丘高校のホームページについて興味を持って拝見しました。やはり南高は、網走を代表する歴史と伝統ある学校です。生徒たちはこの校訓や校歌、校章のもと、かけがえのない青春を胸に刻み、それぞれの卒業を迎えるのでしょう。保護者の皆様も、ぜひ一度ご自身の目で、南高のホームページをゆっくりと巡ってみてはいかがでしょうか。きっと新たな発見があるはずです。